金属火山の攻略の前の予備知識
<概要>
Oxygen not includeにおいて金属火山の攻略は慣れていない人にとっては脅威の物の1つ。2000℃を超える液体の金属が噴出するため、準備をしっかりしておかないとこれ1つで手に負えない状況になることも珍しくありません。
噴出される精錬金属は電線・設備・自動化類・各種ロケット設備など、後半になるにつれてどんどん使用機会が増えていきます。
元々惑星に存在する金属原石で一通り設備を作り終われば精錬金属は必要ないのでは?と思うかもしれませんが、移動バフ+高装飾値である金属タイルに使えるのでいくらあっても困りません。
また、2000℃を超える液体の金属の高熱を蒸気タービンを用いて電力に変えることが出来れば立派な電力源にもなります。知識が増えるほど厄介な物から便利な物へ変わっていく間欠泉です。
今回はそんな金属火山を攻略する・・・のではなく、その前の予備知識編という記事になります。
<金属火山のステータス>
まずは金属火山がどんな感じなのかをチェックをしましょう。
(コバルト火山以降はDLCのみの間欠泉です)
間欠泉 | 噴出温度[℃] | 平均噴出量[g/s] | 平均噴出量[kg/cycle] |
---|---|---|---|
金火山 | 2626.85 | 200-400 | 120-240 |
銅火山 | 2226.85 | 200-400 | 120-240 |
鉄火山 | 2526.85 | 200-400 | 120-240 |
コバルト火山 | 2226.85 | 200-400 | 120-240 |
アルミ火山 | 1726.85 | 200-400 | 120-240 |
タングステン火山 | 3726.85 | 200-400 | 120-240 |
ニオブ火山 | 3226.85 | 800-1600 | 480-960 |
どれも普段は固体であるのが自然な状態な金属が液体で噴出されることもあって温度はべらぼうに高いです。しかし温度は結構バラバラです。
噴出量については平均で考えると1cycleあたり120kg~240kgの精錬金属が手に入るようになります。金属タイルは1つで100kg必要ですからとんでもない熱量のイメージが強いのとは裏腹に採れる量は案外少なめ。
金属火山を攻略したからと言って一気に精錬金属が使い放題!とまではいきません。
続いて熱量に注目したのが下記。平均噴出量(300g/s)において蒸気タービンの動作下限温度である125℃まで冷却すると仮定した場合の熱量です。
間欠泉 | 噴出温度[℃] |
噴出物の比熱容量 [(DTU/g)/℃] |
平均噴出量での 125℃までの熱量[kDTU/s] |
---|---|---|---|
金火山 | 2626.85 | 0.129 | 96.897 |
銅火山 | 2226.85 | 0.386 | 243.394 |
鉄火山 | 2526.85 | 0.449 | 323.529 |
コバルト火山 | 2226.85 | 0.420 | 246.833 |
アルミ火山 | 1726.85 | 0.910 | 437.305 |
タングステン火山 | 3726.85 | 0.134 | 144.794 |
ニオブ火山 | 3226.85 | 0.265 | 986.388 |
ニオブ火山は噴出量型に比べて4倍もあるので、熱量は飛び抜けていますね。熱量が一番少ないのは温度が一番高い金火山。近い温度の鉄火山と比べると熱量は1/3程度です。そして噴出温度が一番低いアルミニウム火山が二番目に熱量が大きいです。基本的に噴出物の比熱容量が高いものほど熱量が大きいことが分かります。
金属火山ごとの熱量の大小がなんとなく分かったところで、じゃあ実際この熱量ってどれくらいなんじゃろな?っていうのを考えてみます。
蒸気タービン1台における850W発電時(蒸気の最高温度200℃)で動作した場合の熱破壊量と比較してみましょう。
熱破壊量=比熱x質量x温度差=4.179*2000*(200-95)=877.59kDTU/s
ニオブ火山以外では蒸気タービン1台で全然足りるから大したことないのでは?
そんなことはありません。噴出量と活動期に注目します。
間欠泉 | 平均噴出量[g/s] | 噴出間隔[s] | 噴出時間[%] |
---|---|---|---|
金火山 | 200-400 | 480-1080 | 1.67-10 |
銅火山 | |||
鉄火山 | |||
コバルト火山 | |||
アルミ火山 | |||
タングステン火山 | |||
ニオブ火山 | 800-1600 | 6000 s - 12000 s | 0.5-1 |
どれも噴出時間が噴出間隔のうちの10%以下。(火山以外の間欠泉や噴出孔の噴出間隔は10%~90%)
これがどういうことかというと「どばーっと一気に噴出して長ーく休む」といった動きなります!
ピンと来ない方もいると思うので実際に鉄火山で5つほどサンプルをとってみたので少し見てみましょう。
噴出中に125℃まで冷却する場合の熱量と、活動期(噴火↔待機の1サイクル)の平均噴出量とで共に125℃まで冷却する場合を比較するとどれだけ突発か分かりやすいです。
サンプル | 噴出量(kg/s) |
噴出中での125℃まで の熱量[kDTU/s] |
活動期の 平均噴出量(kg/s) |
活動期での125℃まで の熱量[kDTU/s] |
---|---|---|---|---|
鉄火山1 | 7.1 | 7656.9 | 0.481 | 518.4 |
鉄火山2 | 11.5 | 12402.0 | 0.608 | 655.3 |
鉄火山3 | 7.6 | 8196.1 | 0.517 | 557.1 |
鉄火山4 | 8.9 | 9598.0 | 0.467 | 503.8 |
鉄火山5 | 8.3 | 8951.0 | 0.477 | 514.6 |
活動期でも平均で見れば蒸気タービン1台で間に合いますが、噴出中ではどれも桁違いの熱量が発生してとても蒸気タービン1台では熱破壊が間に合わないことが分かります。そのためこの急激な温度変化を受け止められるような仕組みが必要になります。
蒸気タービンの熱破壊量の877.59kDTU/sというのはあくまで200℃の時の場合であり、温度が下がってくるのに伴って蒸気タービンの熱破壊量も減ってくるので待機中の間に125℃まで冷却することは出来なくなります。そのため活動期の平均では1台で問題なくても複数台必要になる場合は多々あります。
<金属火山の攻略のその前に・・・>
間欠泉の噴出口は左下のニュートロニウムから右に1マス上に2マスのところにあります。金属火山は露出して稼働していることはないので掘り出す時はそこを壊さなければ噴出することはないので作業は落ち着いて行いましょう。
金属火山は稼働しだすと噴出温度が2000℃を超えたりしているので周りに酸素等があろうものなら一気に数百度まで温度が上がってしまいます。慌てて真空にしようとして吸気ポンプなどを設置しても鋼鉄製のものでもすぐにオーバーヒートして破損してしまいリカバリーが非常に利き辛いです。そのため、金属火山を稼働させるときは必ず周りの全ての設備が設置完了してから起動させましょう。
しかしながら、噴出マスを残して準備をしようとしたら間違って掘ってしまった!・・・あるあるです。設備は金属火山に重ねておけないので誤設置はないのですがパイプやコンベアレールなどは置けてしまうので、意気揚々と複製人間が掘ってしまうのでご注意を。
<金属火山の噴出マスには特に注意>
金属火山の噴出マスには特段注意が必要です。噴出される金属の温度は基本的に2000℃超えのため、自動化ワイヤーやコンベアレール、電線、各種ブリッジなどを重ねてしまうと、素材によっては融解してしまいます。金火山では熱容量が小さいためそこまで発生しませんが、鉄火山では気を付けないと結構溶けます。
素材 | 融点(℃) |
---|---|
銅鉱石 及び 銅 | 1083.9 |
金アマルガム 及び 金 | 1063.9 |
アルミニウム鉱石 | 1083.9 |
アルミニウム | 660.3 |
鉛 | 327.5 |
砂岩 | 926.9 |
花崗岩 | 668.9 |
堆積岩 | 926.9 |
なるべく噴出マスには重ならないように、そして配置の都合でどうしても重なる場合は融点の高いものを選びましょう。
<圧力超過に注意>
金属火山の圧力超過は150kg。これを超えると噴出がされないので注意が必要です。
例えば下記のような形。突発的な温度変化を防ぐために水を3tほど準備したとします。
初めは噴出マスの周りが真空な為、噴出するのですが・・・
水が全て蒸気に代わってしまうと圧力超過になってしまいます
ちなみに原油を撒いた場合には少し違った挙動になります。計200kgの原油を撒いている場合、原油は40kg/tileとなり、150kg以下とみなされ噴出されます。ただし、噴出マスで噴出されずに、下の原油を押しのけて1マス下(ニュートロニウムの上のマス)に噴出されます。
噴出されるなら良いのでは?と思うのですが、動作が少し不安定になります。噴出されてすぐに真下に落ちればいいのですが、左右1マスにも移動することがあります。瓦礫が分かれるとその分熱交換もするようになってしまうので温度が急上昇しかねません。
そのため予め蒸気になった状態で噴出マスが150kgを超えないようにある程度余裕をもって水の量の調整をしておくことが望ましいです。
<稼働後でも改修が可能な準備を>
金属火山は非常に高温の金属を冷却するために蒸気タービンがほぼ必須です。ボイラー室は断熱タイルで密閉してしまうと素材の選択ミスでうっかりオーバーヒートさせてしまった場合など後で手を加えたいと思ってもボイラー室を空けると蒸気が漏れ出て改修が難しくなります。そのため液体ロックなどを使って稼働後でも出入りできるようにしておきましょう。
また、後から手入れ出来るようにと複製人間がいつでも侵入できるようにしておくと、建築指示を受けた複製人間がうっかりアツアツの金属を持ち出してしまう場合があります。
水や塩水を使った2層液体ロックは沸点が高くないため一瞬で崩れてしまう恐れもあるので、空気式エアロックで入室制限をするなどして意図しないときに高温の金属に触れられないようにしておきましょう。
<mg単位の瓦礫が発生>
<金属火山攻略で知っておいた方が良いこと>
・倍速による熱交換の違い
絶えず非常に膨大な計算が行われるこのゲーム。全ての処理を正確に行うとゲーム速度を2倍3倍と早めると尋常ではない処理が発生してしまいます。そのため、倍速時にはこの負荷を軽減するため一部計算が簡略化されています。
この1つとして熱交換のスピードも等速と倍速では異なっているようです。等速の方が熱交換が正確に行われ早く、倍速にしていくほど緩くなる傾向です。
金属火山の攻略において影響の出る部分としてはよく見かけるのは金属火山が漬かるように原油や石油を撒いているようなケース。
金火山の土台となっているニュートロニウムですが、これは上に乗っている瓦礫化した金属と熱交換を行いません。そのため、上に乗っている瓦礫はそのマスにある気体や液体とのみ熱交換をするわけですが、気体は基本的に熱伝導率が悪いため熱を逃がし辛いです。そのため液体を撒くことにより、効率よく熱を拡散することが出来ます。
(熱伝導率例:酸素:0.024 蒸気:0.184 水:0.609 原油:2.000)
ただし問題は原油や石油の相変化する温度です。原油は402..9℃で石油になり、石油は541.9℃で酸性ガスへと相変化します。
金属火山は噴出する金属の温度が2000℃を超えること、そして噴出されるのは液体であることから一瞬で物凄い量の熱交換をします。そのため「3倍速では原油のまま問題なく運用できていたけれど等速にすると酸性ガスになってしまった」といったことが起こります。ボイラー室内で酸性ガスが発生してしまうと設備の効率が落ちたり正常に機能しなくなってしまいます。
ずっと倍速プレイしていれば問題ないのでは?と思ってしまいますがそうでもありません。セーブ・ロードの場面やサイクルの切り替わりの処理などで一気に熱交換する場合があります。また、液体が固体へ瓦礫化したものが他の瓦礫に合算するときに正常に熱量が合算されず、普段の2倍もの熱量になるようなバグもあったりします。
そのため、金属火山の直下には原油や石油を撒くのはあまりオススメできません。使用する場合は十分な量(400kg/tile程度)を準備してちょっとやそっとでは相変化しないようにしましょう。
・真空
真空では一切の熱のやり取りが発生しません。熱伝導率が0の気体があるとみなすことが出来ます。
熱の移動はタイル(液体・個体)同士で面しているブロックのみで行われるため、他には熱が伝わりません。
断熱材が手に入る前に高温空間と低温空間を分けたいときは機械式エアロックの開閉により間に真空の空間を挟ませることが出来ます。これにより熱交換をするorしないというタイミングを簡単に制御することが出来ます
・真空中の気流タイル
真空中の気流タイルは液体と一切の熱のやり取りが発生しません(気流タイルの下のタイルとは熱交換はするため注意)。これを利用すると、高温の液体金属を熱交換をさせずに意図した位置に誘導することが出来ます。
真空中の気流タイルは真空と同じ扱いであるため、高温の瓦礫も気流タイルと熱交換しません。これは格納庫に入れている場合も同様です。気流タイルの中を通る場合も瓦礫と気流タイルは熱交換しません。
・真空中での瓦礫の熱交換
真空中では周りと熱交換をしませんが、タイル上の瓦礫はタイルと直接熱交換をします。
コンベアレール内の瓦礫はちょっと特殊。
周りが真空であれば周りと熱交換しませんが、コンベアレールの下にタイルがある場合は瓦礫とタイルは熱交換をします。これはタイルの上に瓦礫が乗っている扱いをされているからと考えられます。また、タイルの中を通る場合も熱交換をします。
・真空中の掃除機とコンベアローダーの冷却
真空中は設備と周りの物は熱交換をしません。そのため真空中で自動掃除機やコンベアローダーを使い続けていると自身の発熱でオーバーヒートしてしまいます。設備自体が熱交換をしないので背面に冷たい液体を輻射パイプで流していても駄目です。
熱交換するには気体or液体が必要なので、自動掃除機・コンベアローダーの一部を液体に触れさせることで、その液体を通じて熱交換させることが出来ます。自動掃除機とコンベアローダーの発熱自体は小さいので液体ロックなどの少量の液体でも十分に冷却できます。
ただし、自動掃除機の中央のマス、およびコンベアローダーのコンベアの排出マスは液体に触れていると瓦礫と液体が熱交換してしまいます。そのため触れさせる位置に注意が必要です。ここに触れさせなければ高温の瓦礫を熱交換することなく運搬することが可能です。
・窓タイル
ダイアモンド製の窓タイルは熱伝導率は80もあり、融点は3926.9℃と溶ける心配がまずないので熱交換をさせたい時に非常に便利。材料の調達も石油バイオームから掘ってこればすぐに使えるので金属火山の攻略でよく使われる素材です。
素材 | 融点[℃] | 熱容量[(DTU/g)/℃] | 熱伝導率[(DTU/(m*s))/℃] |
---|---|---|---|
銅 | 1083.9 | 0.385 | 60 |
金 | 1063.9 | 0.129 | 60 |
鉄 | 1534.9 | 0.449 | 55 |
鋼鉄 | 2426.9 | 0.490 | 54 |
アルミニウム | 660.3 | 0.910 | 205 |
鉛 | 327.5 | 0.128 | 35 |
タングステン | 3421.9 | 0.134 | 60 |
テルミウム | 2676.9 | 0.622 | 220 |
ダイヤモンド | 3926.9 | 0.516 | 80 |
・熱交換プレート
質量の大きい周囲の3x3マスと熱交換を行う設備。材料を精錬金属やダイヤモンドにするとその熱伝導率の高さからスムーズに熱交換器として用いることが出来ます。また、材料を熱容量の高い土や火成岩を使うと急激な温度変化を防ぐことが出来ます。
ダイヤモンドは窓タイルと熱交換プレートしか使い道もないのでよく利用されます。
<sandboxモードの活用>
金属火山は問題が発生してからのリカバリーが難しいため慣れるまでは非常に難易度が高いです。練習用のsandboxモードのセーブデータも用意して練習するのも選択肢です。