liquid-phaseのブログ

足湯で疲れをふっとばす(鉄板激うまギャグ)

硫黄間欠泉の攻略

 硫黄間欠泉の利用の記事です。ここでは完成系のそのままポンと紹介するのではなく、目的を達成するまでの過程を重視して紹介していこうと思います。

(※動作保証はなく、あくまでも考え方の紹介です)

<背景>

 硫黄間欠泉はDLCで追加された間欠泉の1つ。第二惑星にて確定配置される。冷却して硫黄にすることでダイバージェント属やグラブフルーツの肥料にできる。

元素 硫化硫黄
温度 165.2℃
圧力限界 50kg

平均噴出量(g/s)

40%~60%

Min-max

 

1400~1600

1000~2000

 oxygen not includeの仕様として液体から個体に相変化するとき、一定以上の質量があるとタイル化してしまう。その質量は物質により異なり、硫化硫黄の場合は740kg。そのためタイル化したものを削岩する仕組み、もしくはタイル化させないような仕組みが必要。

 噴出する温度は165℃と鋼鉄があれば対応できる温度だが、金アマルガム製の設備だとやや厳しい温度。

 

<目的>

 ①硫化硫黄を冷やして硫黄を得る

単純明快です!生産効率や電力効率は二の次です!

 

<実行1>

 硫黄間欠泉の硫化硫黄は165.2℃で噴出し、個体の硫黄への相変化の温度は115.2℃。実際に変化するには3℃ほど余分に冷やす必要があるので最低112℃までは冷やさなければなりません。今回は電力効率度外視でとりあえず冷やそうと思うので50℃の水のプールを準備して浸してしまい、噴出される硫化硫黄がじょぼじょぼ落とす形にします。一気に冷やされるのでタイル化の心配もないかな?

 あとは水が温まりすぎないように外に液体クーラーを設置してその水を冷却。その時に移ってきた熱を蒸気タービンで熱破壊。非常にシンプルです。噴出量と温度帯が近いこともあり蒸気間欠泉の蒸気を水にするのに似た構成になります。

 具体的な数値を見てみると、平均噴出量の最大である2kg/s、165.2℃からグラブフルーツの適温である50℃まで下げると仮定すると冷却が必要な熱量は161kDTU/s。液体クーラーの稼働率が27%位ですね。蒸気タービン1台で余裕で賄える熱量。これなら液体クーラーも金アルガマム製でも全然平気ですね。

 蒸気噴出孔で考えるならば110℃の蒸気を90℃まで下げるのと同程度。

 熱い液体を冷やして個体にという流れから火山に近いような感覚を勝手に抱いていたのですが硫黄は比熱は0.7[(DTU/g)/℃]と大きいわけでもなく、噴出時の温度も特別高いわけではないのでそんなに身構える必要はないですね。

 最後に冷えて瓦礫化した硫黄を外に運びだすために掃除機とローダーを設置するば完成です。

 


省スペース化するなら蒸気タービンを硫黄間欠泉の隣に置いてしまうのも有りですね!

 

 

<結果・評価>

 固体の硫黄を入手することが出来ました!(歓喜)

 しかしちょっとばかり熱いですね!(困惑)(動悸)(眩暈)

 間欠泉の足場はニュートロニウムであり熱交換をしないのでその影響もあるでしょうが、50℃の水にジャッパーンとしているので質量が少ないこともあり同じ50度近くまで一機に冷えるかと思ったのですがそうはならないようです。

 

また、掃除機が凄い荒ぶるのが気になりました。

 この硫黄間欠泉の活動期の噴出量は4698.2g/sです。毎秒約5kgの瓦礫が出るのに加え、落下してきた硫化硫黄が横に広がるのと水に押し出されて左右に移動したりすることもあり、4~5マスの範囲にバラけてさらに細かく瓦礫に変化します。それを懸命に拾い続けてしまっています。掃除機は1回の動作で最大1000kgを運べるので、電力効率はひじょーに悪い!

 

 発熱量に関しては想像していたよりも少ない印象。

 

 

<改善点・次の目的>

 ①出力される硫黄を目標値まで冷やす

 ②掃除機が無駄に動かないようにする

この2点ですね


<実行>

 掃除機の自動化制御は加重センサーを使う方法とコンベアレール元素センサーを使う方法の2つがあると思います。

 加重センサー・・・一定の十両以上になったら動作させるので仕組みが直感的的で分かりやすい。対象の物質が少ない場合には無駄な動作が少ないため電力効率が非常に良い。対象の物質の量が多い場合にはローダーが出力した傍から少量を補充し続けてしまうため電力効率が悪い。

 コンベア元素センサー・・・ローダーからの出力がされ切ってから補充をするため、対象の物質の量が多い場合でも無駄な動作が少ない。その反面、対象の物質が少ない場合には少量でも動作をするため電力効率は良くない。

 

 例 左:コンベアレール元素センサー 右:加重センサー

 両方組み合わせるのも有りですが、そこまですると回路がごちゃーっとするのでスペースがあればといったところ。今回は対象の物質の搬出量がそこそこあるので、コンベアレール元素センサーを使いたいと思います。

 

 次に対象の物質を目的地まで冷やすためにコンベア温度センサーを使います。コンベア遮断機と合わせて使うことでお手軽に対象の物質の温度監視が出来ます。冷却の熱交換は水よりも金属タイルの方が熱伝導率が高いので、金属タイルの中を通して熱交換させます。

 

というわけでそれらを組み込んだのがこちら。冷却用の水のプールは200kgほど。

硫黄間欠泉の部屋は真空でなくても構いませんが真空の方が望ましいです。

 

 


 

 

<結果・評価>

 目標値に沿った温度の硫黄を入手することが出来ました!

 掃除機も無駄な動きが減ったので非常に満足です。

 

しかしながら気になることがまたありました。

 前回は硫黄を165℃→約85℃まで冷やしたのに対し、今回は165℃から約50℃まで下げました。つまり差分の35℃分の熱量を追加で冷やしているわけなので、その分液体クーラーも稼働し、蒸気タービンの発電量も増えなければならないはず。しかしどうも増えている様子がしません。むしろ減っているまであります。。。

 そして瓦礫化した硫黄の温度を注意深く見てみるとあることに気づきました。

 温度がほとんど変化していないッ・・・!!!

 

 水によって冷やされて瓦礫化された硫黄は、前の構成では90℃付近になっていました。質量差があるので一気に90℃まで上がらないにしても、熱い瓦礫がどんどんまとめられていくので少しずつ温度は上がっていくはず・・・。どうも質量だけ加算されて、熱量は加算されていないようです。

 

 どんなことが起こっているかを確認するために少し検証。手押しポンプ一回分の硫黄を注ぎ、金属タイル冷却して瓦礫化させています。

 ①右側→金属タイルにて熱を奪い瓦礫化

 ②真ん中→10kg20℃の硫黄がある状態で金属タイルにて熱を奪い瓦礫化

 ③左側→金属タイルの上に網タイルを設置し、10kg20℃の硫黄がある状態で瓦礫化


※1 ①と②から、液体が固体に相変化するときにその物質の瓦礫がある場合は熱量は加算されず質量だけ加算される

※1の現象は瓦礫化するマスに既にその物質の瓦礫がある場合にのみ発生し、③のように網タイルによって相変化するマスと別の場所で瓦礫化されたものが統合される場合は正常に質量も熱量も合算される。

 

 意図しない熱破壊が発生していたわけですねー。熱破壊が起きているので都合がよく修正しなくても良いんですが、意図しないバグはいずれ思わぬ事故を起こしかねないのでバグを回避するために硫黄の落下位置に網タイルを設置する形に少し変更。

ヨシ!

 現在だと冷却がやや遅く、間欠泉の活動期間に全てを処理することは出来ずに瓦礫化した硫黄がどんどん溜まっていってしまいますが、瓦礫化したものは圧縮せずともスペースを圧迫しないので問題はないですね。

 

<改善点・次の目的>

 目標値まで硫黄を冷却する仕組みも出来たので、お次は電力効率の改善です。今までは硫黄を165.2℃→50℃まで全ての熱を液体クーラーを使って冷却していました。

 これを蒸気タービンを使うことにより165.2℃→125℃までの熱量をそのまま電力にすることで、液体クーラーの稼働率を減らし省電力を目指します。

 

<実行>

 蒸気タービンを2台設置。左側の蒸気タービンで硫黄を126℃付近まで冷却。右側は硫黄を126℃→50℃までの熱を担当。蒸気タービンの扱える蒸気の最低温度は125℃なので硫黄が125℃まで下げたいところですが、温度が低くなるほど冷却効率は落ちるので126℃以下で給水ポンプで組み上げます。排水溝の位置や温度センサーの位置も関係しますが、画像の用な位置関係だと組み上げる液化硫黄の温度は125℃でした。

 硫黄間欠泉の部屋も蒸気タービンの部屋も真空化の必要なし。

 

 

 硫黄間欠泉の左側の水圧センサーは冷却が間に合わず、硫黄が溢れそうな場合に温度に関わらず強制的に汲み上げる用ですが、基本的には冷却が間に合うので必要ありません。 

 硫黄プールとボイラー室に跨っているシグナルセレクタは熱の伝搬補助用。同様に導電線ブリッジやコンベアブリッジ、リボンブリッジなど熱伝導率の高い精錬金属などを使うと熱伝搬を少し補助してくれます。硫黄など熱伝導率が低いものの熱を伝えるのに有効です。

 

<結果・評価>

 硫黄の熱量の一部を蒸気タービンにて電力に変換し、省電力化が出来ました。どれだけ省電力化に繋がったかを最大噴出量の2kg/sの場合での消費電力を少し計算してみます。

・そのまま冷却する場合

  165.2℃→50℃:液体クーラー:331W消費 蒸気タービン:164W回収

  計166Wの消費

・165.2℃→126℃までの熱量を蒸気タービンを使う場合

  165.2℃→126℃:蒸気タービン:57W回収

  126℃→50℃:液体クーラー:215W消費 蒸気タービン:107W回収

  計51Wの消費

 1/3程度にまで抑えることが出来ますね!

 

 ・・・と思ったのですが実際には給水ポンプが構成として増えているのでそちらも考えねばなりません。吸水ポンプは10kg/sで240Wなので2kg/sだと48W換算になります。そのため合計は計99Wの消費となります。そのため実際には1/3程度の省電力になります。

 

<改善点・次の目的>

 蒸気タービンを2台も設置するのはやはりスペースを取りすぎな感じがします。硫黄間欠泉の熱量は液体クーラー1台、蒸気タービン1台でも賄える程度なのでやはり1台にしてしまいたいところ。というわけで課題は省スペースです!

 

<実行>

 蒸気タービンを1つに、そしてボイラー室も1つにし、液体クーラーを中に放り込みます。たったそれだけなのですが、いろいろと自動化制御を追加で入れないと困ったことになるので四苦八苦しながらも完成したのがこちら。

 

 

・硫黄間欠泉の硫黄を溢れさせないための制御

 「硫黄プールの冷却」と「瓦礫化した硫黄の冷却」を別フェーズで行うことが必要です。この2つを並行して行おうとすると、瓦礫化した硫黄を冷却した分の熱は液体クーラーに移るわけですから、その分ボイラー室が温められてしまいます。その結果、蒸気タービンはその仕様から温度が下がってくるほど熱破壊の効率も下がってくるため硫黄プールの温度は125℃付近まで下がりきらないという状態になります

 これを防ぐには硫黄プールに硫黄がなくなっている場合にのみ、瓦礫化した硫黄を冷却するという処理が必要です。そのため、硫黄プールの下部のセンサーにNOTセンサーをかませて液体クーラーにANDゲートを介して接続します。液体クーラーはパイプ内の温度が40℃以上且つ、硫黄プールの硫黄が30kg以下の場合に動作となります。

 

・蒸気タービンの熱破壊効率の向上

 噴出⇔待機状態を繰り返すたびに冷却も硫黄プール⇔瓦礫化硫黄を繰り返します。硫黄プールに新たに液化硫黄が入ってから温度が上がりきるまでは少々時間がかかります。そのためこの時間は液体クーラーを稼働させるようにして蒸気タービンの稼働率を上げたほうが効率が良いです。先述の水圧センサー→NOTゲートの後段にバッファゲート(30s)を挟んで接続することによりこれを実行します。これがないと瓦礫化硫黄の冷却時間が非常に短くなってしまいます。

 

・液体クーラーの設定温度

 瓦礫化硫黄の冷却時間が比較的短いため、液体クーラーの制御する温度は低めにしておいた方が良いと思い40℃以上で稼働に設定しています。硫黄自体の熱伝導率が低いため、目標よりも冷やしすぎたというようなことはありませんでした。休眠期にも瓦礫化硫黄の冷却処理は出来るので目標設定温度に近くして長い時間をかけてる方が望ましいです。

 また、間欠泉によっては活動期の噴出量は少ないものの噴出時間が非常に長いものもあります。そういった場合には液体クーラーの稼働時間が非常に短くなってしまい、蒸気タービンの動作温度を超えてしまうことが考えられます。そのため瓦礫化硫黄の冷却部屋に温度センサーをおいて98℃以上になった場合には強制的に液体クーラーを動かす処理を入れています。・・・が実際は必要ななさそうです。

 

<結果・評価>

 横幅5マス分くらいのスペースは省けました!

 コンベアブリッジや導電線ブリッジ、シグナルセレクタを使って熱伝導性をなるべく高くするようにしていますが、硫黄プールの冷却と瓦礫化硫黄の冷却を同時に行えないこと、硫黄プールの冷却を優先していることから、瓦礫化硫黄の冷却のペースはかなり遅いです。間欠泉の噴出量にもよりますが活動期には数t単位で溜まってしまうこともあるかもしれません。

 

<改善点・次の目的>

 ①蒸気タービンは1台のまま、瓦礫化硫黄の冷却ペースを上げる。

 ②更なる省電力化

<実行>

 瓦礫化硫黄の冷却ペースを上げるには「硫黄プールの冷却」と「瓦礫化した硫黄の冷却」を同時に行えることが必要です。これを蒸気タービン1つで行うためにSaturnus氏発案のスプリットタイプの蒸気タービン(公式フォーラム)を採用します。

 <スプリットモデルの構築例>

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ボイラー室を意図的に2つの部屋に分けて、二つの異なる温度帯の蒸気を扱えるというところがポイント。蒸気タービンの動作条件である「動作に必要な蒸気の最低温度は125℃」というのを細かく見てみると「5つある吸気口の内1つが125℃を満たしていれば動作をする」という仕様になっています。これを利用し、片側の部屋を125℃以上にすることでもう片方の部屋を125℃未満まで冷却することが出来ます。

 

 今回の場合では、瓦礫化硫黄の冷却熱を扱う部屋を125℃以上に保つことで、硫黄プールの冷却を行う部屋を125℃以下まで冷却出来るので「硫黄プールの冷却」と「瓦礫化した硫黄の冷却」を同時に行えるわけです。

 

構成はこちら

 

 

 ボイラー室の左側は低温側で硫黄プールの冷却。右側は高温側で瓦礫化硫黄の冷却熱を移します。スプリットタイプの蒸気タービンの動作条件を満たすために制御がいろいろと必要になってきます。

 

基本的な動作の流れ

 ①蒸気タービンで液化硫黄を冷却

 ②液化硫黄が116℃以下で吸気ポンプで汲み上げて、瓦礫化硫黄の冷却スペースへ

 ③水の中に垂らされた液化硫黄は固体に相変化し、瓦礫化硫黄に

 ④瓦礫化硫黄を掃除機でコンベアにのせ、液体クーラーで熱を奪う

 ⑤指定温度まで冷却された瓦礫化硫黄は外へ排出

 ⑥瓦礫化硫黄を冷却したときの熱を液体クーラーで高温側のボイラー室へ移し、蒸気タービンで熱破壊

 ⑦高温側のボイラー室が125℃以上であれば低温側のボイラー室は125℃以下まで冷却可能

 

・蒸気タービンの復水の制御

 スプリットタイプの蒸気タービンは2つの部屋に復水を分配しないといけません。しかしながらそのまま単純に分配してしまうと冷却する物質が液化硫黄の場合は問題が生じます。

 液化硫黄は約112.2℃で液体から個体へ変化してしまうので冷却をし続けてしまうのはNGです。そこで排水を低温側に優先に流れるようにして、排水溝を自動化制御で113℃未満では停止するようにし、113℃未満の場合は高温側に排水が流れます。自動化制御がこれのみだと低温側が冷え切るまで高温側には排水が送られない形になってしまい蒸気の量が低温側に偏ってしまいます。そのため低温側に気圧センサーを追加で設置し、20kg以上で停止するようにしています。

 これにより温度が113℃以上且つ、気圧が20kg以下の場合にのみ低温側を冷却する動きになります。

 

・ボイラー室の高温側の制御

 ボイラー室の高温側の熱源は瓦礫化硫黄の冷却をする際に移した熱です。そのため、瓦礫化硫黄がない場合には高温を維持することが出来ません。高温が維持できなくなると蒸気タービンが動作しないので硫黄プールも冷却できず、116℃まで温度が下がらなければ硫黄を汲み出さないので瓦礫化硫黄の冷却スペースにいつまでたっても硫黄は送られてきません。停滞してしまいます。

 これを解決するために高温側のボイラー室が125℃を下回った場合には、強制的に給水ポンプを稼働して硫黄を送るようにします。こうすることで熱源を確保します。

 また、高温側のボイラー室は125℃以上を維持できれば温度は何℃でも構わないので、なるべく長い時間高温を維持させたいので、液体クーラーの稼働時間を制御します。パイプ内温度センサーに加え、温度センサーを追加し、高温側のボイラー室が128℃以下でのみ稼働させるようにします。これにより、一気に過熱されて瓦礫化硫黄の熱をすぐに消費してしまうのを防ぎ、蒸気タービンの稼働率を上げることが出来ます。

・蒸気タービンの自己冷却

①蒸気タービンは【発電時に熱破壊した熱量の1/10】+【発電機が回っている限りかかる固定の発熱量(4kDTU/s)】の排熱をする

②蒸気タービンは95℃の水を排水する

③蒸気タービンの稼働動作条件は100℃以下

これらのことより

 【蒸気タービンの排熱量】<【排水が95℃→100℃になるまでに必要な熱量】

となれば、排水による自己冷却が可能です。排水による自己冷却が出来ると通常では液体クーラーにより熱を移していた分の消費電力がなくなり省電力に繋がります。

 スプリットタイプの蒸気タービンでは吸気口が1つ少ないので吸気量は1400g/s。この時に排水が95℃→100℃になるまでに必要な熱量は

質量 x 比熱 x 温度差 = 1600 g/s x 4.179((DTU/g/)℃) x (100℃-95℃)=33.432kDTU/s

 

次に蒸気タービンが自己冷却可能な熱破壊量を計算します。

蒸気タービンの排熱量は熱破壊した量の1/10+4kDTU/sなので熱破壊できる量は(33.43kDTU/s - 4kDTU/s)*10 = 294.32kDTU/sとなります。

 

硫黄間欠泉の休眠期も含めた最大噴出量は2kgであり、これを噴出時の165.2℃から50まで冷却するときに必要な熱量は161.28kDTU/s。十分余裕があります。

硫黄間欠泉の活動期はざっくり全体の2/3程度なので活動期には約1.5倍の平均噴出量となり、このときに冷却必要な熱量は241.92kDTU/s。最大噴出量の場合でこれなので十分余裕がありますね。

 ただしそれは活動期の場合です。活動期から休眠期になった直後は硫黄のプールはなくなり、左側のボイラー室は真空になり生きている吸気口は1つになってしまいます。すると蒸気タービンの排水は400g/sになってしまい、これだと仮に右側のボイラー室が最低稼働温度の125℃の蒸気でも自己冷却が出来なくなってしまいます。

そのため、タービン室に温度センサーを配置し、気体レイヤーで水素を送り、蒸気タービンを冷却するようにしています。

 蒸気タービンの吸気口を硫黄プールの冷却を2つ、瓦礫化硫黄の冷却も2つにすると、硫黄プールが空の時でも自己冷却できるようにはなるのですが、今度は硫黄プールの冷却が間に合わなくなります。

<結果・評価>

 スプリットタービンにより液化硫黄の冷却を蒸気タービンで125℃→115℃まで扱えるようになったので液体クーラーの稼働率が下がり約14Wほどの節電が出来ました。

 自己冷却により約20kDTU/s分の熱を液体クーラーを使わずに済むようになったので20W程度の節電になりました。

 蒸気タービンは1台のまま、硫黄プールの冷却と瓦礫化硫黄の冷却を並行して行えるようになりました。

 しかし自動化制御が多くなり、若干複雑になってしまったのが難点。単純化した方が更なる改善もしやすくなりますし、構築の難度も下がります。

 また、高温側のボイラー室の熱が足りない場合には強制的に硫黄プールから汲み上げるのですが、その分蒸気タービンで回収できるはずだった電力をロスしているのも防ぎたいです。

 

<改善点・次の目的>

 ①構造や制御の単純化

 ②硫黄間欠泉の噴出する硫黄は165.2℃と蒸気タービンの稼働温度である125℃よりも上なので液体クーラーと間欠泉を併設することにより高温側の温度が足らないという状況なくす

<実行>

 高温側のボイラーは硫黄間欠泉と液体クーラーを併設。そして低温側のボイラーは汲み上げた硫黄をパイプ内で115℃まで冷却します。液化硫黄の冷却を優先するために液体クーラーはボイラー室が130℃以下で稼働するようにしています。蒸気の温度は比較的低いため、自己冷却のタービンは原油を少量撒いておけば水素は撒いておかなくても冷却は十分間に合います。

蒸気の温度はそんなに高くならないので

 

 

 気流タイルで蒸気タービンの吸気口を塞いでいるのは、冷却が間に合わない場合に溢れた硫黄が吸気口を閉じてしまわないための保険です。特徴の違う3つの間欠泉で試してみましたが冷却は間にあって噴出され次第組み上げる形になって安定していたので基本的に不要だと思います。

 

中々ないと思いますが活動期の平均噴出量が3kg/s超えるものだとちょっと怪しいかもしれないのでその場合は液体クーラーの稼働制御用の温度センサーの温度設定を少し下げた方が良さそうです。溢れそうなころには休眠期に入りそう。

<結果・評価>

 横幅3マス分くらいのスペースは省けました!

 構造や制御が単純化されました!

 全ての液化硫黄が115℃まで冷却さして熱を搾り取る構造にすることが出来ました!

 瓦礫化硫黄の冷却の時間効率がやや遅いですが、休眠期も含めれば冷却は間に合っています。間欠泉の噴出量次第でもう1マス幅分金属タイルの冷却スペースを広げても良さそうです。

 

というわけで概ね満足なものが出来上がりました。少し手間ですがサバイバルでも採用しても良いかなというレベルです。サバイバルで構築するなら、液体ロックを随所に設置して後からでも変更できるようにした方が良さそうですね。建築時の注意は低温側のボイラー室はあらかじめ115℃前後にしておかないとパイプ内で相変化してパイプ破損してしまうのでそこだけ注意ですね。



<改善点・次の目的>

 実用的なものはここまでにして設置スペースや建築難易度を度外視した省電力特化の設備を作りたいと思います。

 

 焦点となるのは蒸気タービンの排水でどれだけ硫黄から熱を絞れるか。

休眠期を含めた平均噴出量が1.5kg/sの間欠泉を想定して計算してみます。

①100℃まで絞るとすると 硫黄を165.2→100℃まで蒸気タービンで回収=70W発電

②100℃→50℃まで液体クーラーで冷却=108W消費

③100℃→50℃までの冷却熱をタービンで回収=53W

ギリギリ15Wの黒字を見込めます。

結局は周辺機器があるのでトータルでの黒字化は無理そうですが、100℃までの冷却できる構造を目指します。

 

<実行>

 蒸気タービンの排水までフルで冷却に活用したいので蒸気タービンは2台体制です。そしてスプリットタービンを採用し、高温側のボイラー室の熱源は噴出直後の165.2℃硫黄になります。

 

 

 

<押さえておきたいツボ>

・冷却する硫黄の状態

 液体のまま冷却する場合はパイプ内の1パケットあたりの量を10%である1kg以下にすると凝固点以下でもパイプ内で相変化せずに冷却することが可能です。熱交換の仕様から個体で瓦礫を冷却するよりもパイプに液体で通して熱交換する方が時間効率が良いです。

 しかしながら組み上げるのに給水ポンプが必要で電力は240Wで10kg/s。個体の場合はコンベアローダーが必要で120Wで20kg/sと約1/4の電力で済みます。ローターへ搬入するためには掃除機が必要で120Wかかりますが、1回で最大1tもの量が運べるため、頻繁に運搬しない限りはあまり電力を必要としません。

 今回は省電力に焦点を当てているため、給水ポンプを使わず瓦礫化させ対応を冷却する形としています。

 

・スプリットタービンの熱源

 スプリットタービンの高温側のボイラーの熱源は硫黄間欠泉から噴出された液化硫黄です。間欠泉は噴出時に噴出する上のマスにタイルがあると表面張力が働き熱交換を行います。瞬間的にタイルと熱交換した硫黄は下に落ちるので、毎回噴出したてのホカホカの硫黄と熱交換が出来ます。この熱を原油を触媒に配管ループさせて高温側のボイラーに熱を届け蒸気タービンの動作条件である125℃の条件を満たします。

  

 蒸気タービンの蒸気の最低動作温度である125℃の蒸気は1mgでも問題ありません。そのため高温側のボイラーに注入する水は流体バルブで0.1gに絞った水を入れています。これにより、持続的な大きな熱源がなくても蒸気タービンの動作条件を満たし、他の吸気口では103℃付近の蒸気まで扱えるので液化硫黄を瓦礫化させるのに十分な温度まで下げることが出来ます。

 

・瓦礫化した硫黄を熱交換させない

 噴出された液化硫黄を蒸気タービンで冷却して瓦礫化するわけですが、掃除機による搬出が間に合わない場合には次に噴出されてきた液化硫黄が流れてきて、せっかく冷やして瓦礫化した硫黄と熱交換をしてしまいます。瓦礫化させた硫黄が、再度液体に戻って搬出出来ないことも問題ですし、蒸気タービンはその仕様上、温度が高いほど熱破壊をするので、蒸気タービンの熱破壊効率が落ちてしまいます。その結果、いつまでたっても硫黄は瓦礫化しないで搬出されず、液化硫黄が溢れてしまうようなことが想定されます。

 そのため、網タイルと熱交換プレートを設置することでこれを解消します。

 熱交換が行われるのは網タイル内にある液化硫黄とボイラー室の金属タイルのみになります。網タイル内で瓦礫化した液化硫黄は上へ押し出され真空の状態に曝されます。網タイルは瓦礫扱いなので、瓦礫化した硫黄は液化硫黄とも網タイルとも熱交換を行いません。

 これにより、瓦礫化した硫黄の搬出が遅くとも、網タイルの上に瓦礫化硫黄がストックされる形になり、ボイラー室は液化硫黄の熱を奪ってくれます。

 

・掃除機の斜め搬出

掃除機の範囲は中心から4マス。間に障害物があるとその先には届きません。しかし斜めに障害物がなければ先には届くので部屋を跨ぐことが出来ます。

 

 

・液化硫黄を溢れさせないために液体クーラーの稼働を制御

 瓦礫化硫黄を最終的に50℃まで冷却するために100℃から50℃までは液体クーラーによって熱を奪い、その熱を蒸気タービンで熱破壊をしています。液体クーラーはボイラー室にあるため液体クーラーの稼働率が高いとボイラー室も温度が高くなります。 ボイラー室が113℃を下回らないと液化硫黄はいつまでたっても瓦礫化しないので水圧センサーで硫黄の水量を検知し、液化硫黄の量が多い場合にはいったん液体クーラーを停止させ、蒸気タービンは液化硫黄の冷却のみに専念します。

 

・蒸気タービンの排水での瓦礫化硫黄の冷却

 蒸気タービンの95℃の排水を利用して瓦礫化硫黄を113℃から100℃近くまで冷却します。

 理想を考えるのならば蒸気タービンを置いてある部屋が100℃以上になると蒸気タービンが停止してしまうので、蒸気タービンの部屋と硫黄の冷却する部屋は分けるべきです。また、パイプ内の水が蒸気に代わる温度になってしまうと破損してしまうので、パイプ内の流量は1kg以下にして相変化をさせないようにするべきです。

 しかし、瓦礫化硫黄は熱容量が少なく熱伝導率も悪いこともあり、熱交換のペースは非常に遅いです。そのため、蒸気タービンを設置してある部屋自体も冷却スペースとして利用します。しかしそのままでは蒸気タービンが100度を超えて停止してしまうこともあるので98℃を超えたら瓦礫化硫黄の搬出を止めるようにしています。

 排水のパイプ流量も絞っていません。ヒステリシス特性があるため実際には103℃で蒸気に相変化しますが、上記の蒸気タービンを停止させないための温度制御の効果もありぎりぎりパイプ内の排水の温度上昇は101℃位で収まっていました。

 

<その他>

公式フォーラムにあった硫黄間欠泉攻略の紹介でも。

その①:OCD Simple Sulfur Geyser Tamer (Sulfur at 25°C)

パイプ内の流量を1kgに絞って相変化を防いで液体のまま冷やす構造。冷却スペースがこんなに小さくてすぐに冷却できるのか?と思ったのですが、流量が少ないことに加えて、瓦礫ではなくパイプ内での液体の状態なので冷却が早いんですねぇ!

 

その②:同じスレッド内にあったこちらも中々素晴らしい。仕組みは蒸気のものと似ていますが蒸気タービンの排水まで利用しています。

 

その③:The Brimstoner: power-positive Sulfur tamer

こちらは液体クーラー無しで蒸気タービンだけで瓦礫化硫黄にまでする構成ですね。水圧センサーと機械式ドアを使って流量を制御しています。計算上は使用電力は19.2W、蒸気タービンの発電量は55Wなので電力収支がプラス!コンベアメーターはなんじゃろな?と思ったのですが、コンベアに乗せる硫黄を10kgに制限することで温度変化をなだらかにしているみたいですね。

 

その④:同スレッド内にあったこちらは省スペースで綺麗な仕上がり。美しい・・・。

 

というわけで今回はここまでです。

「硫黄の噴出時の温度>蒸気タービンの動作温度>硫黄が固体化する温度」が近いために色々なアプローチが出来る面白い間欠泉でした。熱量は大したことはないので、失敗してもある程度習性が簡単なのも良いですね!

 他の人のを見ると自分のものは機能性をかなり重めに見ているせいでデカいことデカいこと。もう少し機能美だけでなく、造形美も養いたいところです。ではでは!